AURORA OVER KIRUNA
オーロラ総合情報

メニュー
トップページ
オーロラ
オーロラって?
オーロラを見る!
写真を撮る!
オーロラ現況
写真集
オーロラリンク
オーロラって?

◆オーロラの発生

オーロラの発生を説明するのに、難しい言葉は必要ありません。濃い大気と、十分な量の高エネルギーの粒子があればよいのです。

宇宙空間にある高エネルギーの粒子のうち、あるものは地球めがけて落ちてきます。「高エネルギー粒子が降ってくる」、と言ったほうがいいかもしれません。

降ってきた粒子は高度を下げ、同時に地球の大気は次第に濃くなるので、次第に大気と衝突しやすくなります。

そしてある瞬間、高エネルギーの粒子が、大気を構成している原子や分子と衝突し、それらにエネルギーを与えます。もとのエネルギーの状態に戻りたい原子や分子は、やがて余分なエネルギーを放出します。エネルギーが光の形となって現れ、それがオーロラです。

このような衝突を繰り返すうち、高エネルギー粒子は次第にエネルギーを失っていき、やがて地球の大気と同化してしまいます。

高度が高いところでは、大気が薄く、高エネルギー粒子と地球大気が衝突する確率は低いので、オーロラは殆ど発生しません。高エネルギー粒子が急速にエネルギーを失う高度が最もオーロラが発生しやすい高度で、約100kmから300kmに相当します。


スペースシャトル(高度300〜400km)から見たオーロラ。(Courtesy of NASA)

太陽から遥々やってきた粒子がオーロラを光らせる、と説明されることがあるオーロラですが、これは必要条件ではありません。なぜなら、高エネルギー粒子は宇宙空間に満ち溢れており、太陽からやってくる必然はないのです。

 

◆オーロラのいろいろ

高エネルギー粒子の降り方によって、オーロラの色、形、強さが決まります。

全く降らないときもありますし、ぱらぱらと小雨のように降ることもあれば、嵐のように降ってくることもあります。

高エネルギー粒子が、五月雨のようにぱらぱらとまんべんなく降ってくると、ぼんやりしたオーロラが作られます。これをディフューズオーロラと呼びます。明るくなく、動きも少ないので、退屈なオーロラではあります。

熱帯地方では、バケツをひっくり返したような雨が降ることがあり、スコールと呼ばれています。同じように、高エネルギー粒子が、バケツをひっくり返したように局所的に降ることがあります。このとき、はじめて形をもったオーロラが作られます。これをディスクリート・オーロラと呼びます。降ってくる場所は常に移動する傾向にあるので、オーロラもそれあわせて移動していきます。渦をまいたり、波打ったりとするので、大いに目をひきます。

雨の降り方の勢いが弱いと、厚い大気を深くまで侵入できないので、比較的上層で雨はせき止められます。このとき、高エネルギーの電子は上層部の200〜300kmにある酸素原子と衝突し、その原子は赤い光(赤いオーロラ)を放出します。

酸素原子がエネルギーを得てから赤い光が出るまでの時間は1分以上と長いので、それまでに他の粒子と衝突してしまっては、赤い光は出てきません。従って、赤い光は、他の粒子と衝突しにくい、大気の薄い上層だけに見られます

雨に勢いがあると、より低い高度まで進入することができます。すると高度110〜200kmにある酸素原子と衝突し、緑の光を放出します。また一方で、窒素分子イオンとも衝突し、紫色の光を放出するとともに、エネルギーが間接的に酸素原子に与えられ、緑の光が酸素原子から放出されます。

また、途中の過程で放出した二次電子も励起源となるので、赤や緑のオーロラの発光のしくみは大変複雑で、いまだ完全に解明されていません。


低い高度で光る緑のオーロラ(高度110〜200km)と、高い高度で光る赤いオーロラ(高度200km以上)(著者撮影・スウェーデン)

さらに勢いがあると、高度90〜110kmの窒素分子と衝突し、人の目にはピンク色に見える光を放ちます。

緑色のオーロラの下に激しく光るピンク色のオーロラ(著者撮影・スウェーデン)

実際には、勢いのあるもの、勢いのないものが同時にやってきますので、いろいろな色のオーロラが同時に放たれることになります。

 

◆オーロラの謎

さて、どのようにしてバケツがひっくり返されるのでしょうか。これは何十年もの間、大きな問題となっており、多くの研究者が取り組んできました。

地球の磁力線と、太陽から伸びている磁力線との幾何学的関係で、ある条件を満たすと、太陽風のエネルギーが地球の磁場の勢力圏に取り込まれやすくなります。このエネルギーが解放されるときが、バケツがひっくり返されるときと言われています。しかし、これだけでは、複雑なオーロラの振る舞いをほとんど説明することはできません。

また、太陽風によって引き伸ばされた地球の磁力線が、再結合するとオーロラが強く光りだす、との説もあります。地上からオーロラを観測すると、この説と矛盾する点が多くあることも指摘されています。

◆オーロラ帯とオーロラ・オーバル

バケツがひっくり返るしくみは未解明でも、ひっくり返りやすい場所は知られています。北極地方と南極地方にあるオーロラ帯です。スコールを浴びたければ熱帯地方に行くのと同じように、オーロラを見たければオーロラ帯に行けばよいのです。

初期の研究者は、世界各地で一年間にオーロラの見える日数を数え、スカンジナビア北部、グリーンランド南部、アラスカ中部では100晩以上オーロラが見られることを発見しました。このオーロラが見える頻度の高い地域を、オーロラ帯と名づけました。

20世紀の半ば、オーロラの現れている地域は、楕円のように地球を取り巻いていることががわかりました。これを、オーロラ・オーバルといいます。さらに、地球の自転軸と磁軸が約11.8度ずれているため、一日のうちにオーロラ・オーバルは刻々と変化します。


スウェーデン時間で真夜中(23時世界標準時)における、平均的なオーロラ・オーバルの位置(著者計算)。一日の変化を示すMPEGムービーはこちら

キルナから見ると、夕方付近から北の方角からオーロラが少しずつ見え始めます。これは、オーロラ・オーバルが地球の自転によって南に膨らんできているからです。そして真夜中付近でオーロラ・オーバルの直下に入り、明け方になると、北のほうへ去っていきます。オーロラ・オーバルは、太陽風の状態に応じて、縮んだり膨らんだりしますので、キルナはオーロラ・オーバルに入ったり出たりを繰り返すことになります。

オーロラ・オーバルの直下では、極めて高い確率で高エネルギー粒子が降ってきています。普段はその量は小さいため、ぼんやりとしたオーロラしか見えないかもしれません。形のはっきりとしたディスクリート・オーロラは、きまぐれで現れます。いつ、どこで現れるかは予測できないのが現状です。

 

October 13, 2003